2020年2月13日にカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,600円のところ3,650円で着地しました。
尚、利益超過分配金577円が含まれています。
100MW超の運用基盤を強化した資産成長と運営力の発揮

2019年12月期は、資産規模の拡大と運用基盤の強化を通じて、外部成長と内部成長の双方に取り組んだ期となりました。当期は2019年11月にCS伊豆市発電所を取得し、新たに10.8MWの発電容量をポートフォリオへ組み入れています。取得価格は45.69億円であり、この取得によって保有資産は21物件、パネル出力は119.8MWへ拡大しました。評価価格ベースでも514億円規模となり、上場インフラファンドとして最大級の資産規模を維持しています。
スポンサーであるカナディアン・ソーラー・グループが開発した発電所を継続的に取得できる体制は、同投資法人の大きな強みとなっています。当期の資産取得によって、ポートフォリオの地域分散や収益基盤の拡充が進み、中長期的な安定運営につながる体制がより強固なものとなりました。
一方、内部成長の面では、発電設備の安定運営と収益確保に注力しました。当期の実績発電電力量は期初予想を下回り、予想発電電力量に対する達成率は92.51%となりました。天候不順の影響を受けたことで実績連動賃料は想定を下回りましたが、保有資産の運営体制を維持しながら安定したキャッシュフローの確保に努めています。また、年間ベースでは予想発電電力量に対する実績発電電力量が98.70%となっており、発電設備全体としては概ね安定した運営が継続されました。
財務基盤の多様化とESG経営の深化

財務面では、成長投資と資金調達手段の多様化を進めたことが大きな特徴です。当期は新規資産取得のために4,800百万円の借入れを実施するとともに、1,100百万円の投資法人債を発行しました。上場インフラ投資法人として初となる投資法人債の発行により、従来の銀行借入れ中心の資金調達から一歩進み、財務基盤の強化と調達手段の拡充を実現しています。
また、2019年9月には株式会社日本格付研究所(JCR)から長期発行体格付「A-」を取得し、同年11月には発行した投資法人債についても同格付を取得しました。投資家や金融機関からの信頼を高めることで、将来的な資金調達の安定化にもつなげています。
サステナビリティへの取り組みでは、再生可能エネルギーの普及促進に加え、ESG課題への対応を積極的に進めました。資産運用会社は2019年8月に国内インフラ投資法人の運用会社として初めて国連責任投資原則(UN PRI)への署名を表明し、責任ある投資運用への姿勢を明確にしています。環境面だけでなく、社会・ガバナンスを含めたESG課題への対応を強化した点は、当期の大きな前進といえます。
さらに、グリーンファイナンス評価においては、資金使途や運営体制、透明性などが評価され、JCRによる最高位の「Green1」の評価を継続して取得しました。また、スポンサーグループは地域貢献活動として鳥取県大山町への寄贈活動や、台風19号で被害を受けた宮城県丸森町への支援を実施しており、地域社会との共生にも取り組んでいます。
成長投資と安定還元を両立した転換期
2019年12月期は、外部環境の変化や天候不順の影響を受けながらも、将来を見据えた成長投資を着実に実行した決算期でした。営業収益は2,088百万円、営業利益は696百万円、当期純利益は534百万円となりました。新規物件取得に伴う一時的な金融費用の発生や発電量の未達があったものの、収益基盤の拡大を優先した運営が進められています。
また、投資主還元については利益超過分配を活用することで、1口当たり分配金3,650円を維持しました。発電量が想定を下回る局面でも安定的な分配方針を継続したことは、インフラファンドとしての収益安定性を重視する姿勢の表れです。
加えて、九州電力管内で実施された出力制御による影響は限定的であり、逸失変動賃料は予想賃料収入に対して0.17%にとどまりました。こうした運用上の課題に適切に対応しながら、資産規模の拡大、資金調達手段の多様化、ESGへの取り組み強化を同時に進めたことで、2019年12月期は持続的成長に向けた新たなステージへの足掛かりを築いた一年だったといえます。
