2026年9月14日にコンフォリア・レジデンシャル投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,063円のところ2,102円で着地しました。
都市型住宅への厳選投資と資産入替でポートフォリオの質を向上

2026年7月期は、これまでの資産規模拡大を重視したフェーズから、ポートフォリオの質的向上を重視する新たな段階へ移行した期となりました。賃貸住宅市場では首都圏を中心に人口流入や住宅取得価格の上昇を背景とした賃貸需要が引き続き強く、住宅セクターを取り巻く事業環境は良好に推移しました。
外部成長では、資産入替を通じて競争力の高いポートフォリオの構築を進めました。当期は「コンフォリア木場公園」および「コンフォリア京町堀」の持分譲渡を実施する一方、「コンフォリア学芸大学イースト」や匿名組合出資持分を取得しました。売却により創出した利益の一部は投資主へ還元しつつ、一部を内部留保として将来の成長投資に活用する体制を整えています。また、今後3年間で資産規模の10%超に相当する資産入替を実施し、築年数の若返りや東京23区への集中投資を一段と進める方針を打ち出しました。
内部成長では、需給逼迫が続く東京23区を中心に賃料上昇を着実に取り込みました。平均稼働率は96.7%と高水準を維持しながら、入替時賃料変動率は過去最高となる12.4%、更新時賃料変動率も2.7%を記録しました。特に更新時は増額打診率100%、増額応諾率79.9%と高い成果を上げており、月額賃料増額額も過去最高水準に達しています。加えて、住設機器更新やリノベーションなどの成長投資を積極的に実施し、築年数や立地条件に左右されない賃料上昇を実現しました。今後もレントギャップの解消を進めながら、さらなる賃料成長を目指しています。
財務柔軟性の確保と先行投資による持続的成長基盤の構築

財務面では、将来の金利上昇や大規模な資産入替を見据えた基盤強化を進めました。当期末の有利子負債残高は1,871億円、LTVは52.5%となりましたが、その後実施した公募増資により財務柔軟性を高め、今後の成長戦略を支える体制を整えています。信用格付もJCRからAA(安定的)を維持しており、優れた財務健全性を確保しています。
また、売却代金やフリーキャッシュフローを活用した借入金返済を継続し、LTVコントロールを重視した運営を進めています。今後は資産入替を優先しながらも、自己投資口取得や借入金返済などを柔軟に組み合わせ、資本効率向上も視野に入れた運営を行う方針です。加えて、金利上昇局面に対応するため、固定金利と変動金利を適切に組み合わせながら金利負担の抑制を図っています。
サステナビリティへの取り組みも着実に進展しました。環境面では、温室効果ガス排出量削減目標の達成に向け、省エネ設備への更新や再生可能エネルギーの活用を推進しています。共用部における省エネ設備更新などを通じて、2022年比で大幅な排出削減を実現しており、SBT認定に基づく中長期目標の達成を目指しています。また、新たに複数物件でCASBEE不動産評価認証を取得し、環境認証取得割合も着実に上昇しました。
社会面では、宅配ボックスやIoT設備、カーシェアリング、電動キックボードシェアリングなど、入居者の利便性向上につながる設備投資を継続しています。さらに、Luupとの連携を拡大し、新たなモビリティサービス導入を進めるなど、居住満足度向上と物件競争力強化を両立させています。
成長投資フェーズから巡航成長フェーズへの飛躍
2026年7月期は、将来の成長加速に向けた「成長投資フェーズ」の始まりと位置付けられる期となりました。当期の営業収益は129億円、当期純利益は52億円となり、1口当たり分配金は過去最高となる2,102円を達成しています。一方で、将来の収益拡大を見据えた成長投資や前倒し工事を積極的に実施した結果、巡航ベースの利益成長を重視する経営姿勢が鮮明となりました。
今後は、売却益を原資とした資産入替、築年数の若返り、住設機器更新やリノベーション投資を継続しながら、東京23区を中心としたポートフォリオへさらに集中していく方針です。また、スポンサーグループに加えて運用会社独自ルートからの物件取得も増加しており、豊富なパイプラインを活用した外部成長余地も広がっています。
インフレ環境下において、賃料上昇の恩恵を取り込みやすい住宅アセットの強みを活かしながら、財務基盤強化と戦略的投資を組み合わせることで、中長期的な投資主価値向上を目指す姿勢が強く打ち出された決算であったといえます。
