2026年9月14日に森ヒルズリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,100円のところ3,100円で着地しました。
都心プレミアム資産への集中投資でポートフォリオ価値を高める

2026年7月期は、東京都心のプレミアムエリアに特化した投資戦略を継続しながら、資産入替によるポートフォリオの質向上と収益力強化を進めた期となりました。東京都心部ではオフィス市場の需給が引き続き逼迫し、優良ビルへの需要が高い水準で推移するなか、本投資法人は高い競争力を持つ保有資産の価値を最大限に活かす運用を実践しています。
外部成長では、長期投資運用戦略に基づき物件入替を推進しました。当期は虎ノ門エリアの保有資産の一部持分を譲渡するとともに、戸越銀座ラウンドビル及び東急すすき野ビルを取得し、収益性向上とポートフォリオの多様化を図っています。また、スポンサーグループが保有する豊富な物件パイプラインを活用しながら、東京都心の優良資産を競争入札を経ることなく取得できる体制を維持しています。これまでの資産入替によって資産規模は上場以来拡大を続けており、東京都心の優良不動産への集中投資戦略が着実に成果を上げています。
内部成長では、オフィスと住宅の双方で賃料上昇を着実に取り込みました。オフィス稼働率は99.0%と極めて高い水準を維持し、賃料改定では7.3%、更新時にはさらに高い増額率を実現しています。住宅についても稼働率はやや低下したものの、契約更新時11.4%、入替時19.6%という大幅な賃料増額を実現しました。特に都心5区のオフィスでは市場賃料と既存賃料とのレントギャップが拡大しており、今後も賃料増額余地が大きい状況となっています。こうした内部成長により、将来的な収益基盤の拡大が見込まれています。
強固な財務基盤と環境価値向上への継続投資

財務面では、安定性を重視した資金調達と借入管理を継続しました。当期は償還期限を迎えた借入金の借換えを実施し、期末時点の有利子負債残高は約1,906億円となりました。LTVは簿価ベース46.4%、鑑定評価額ベース36.5%と良好な水準にあり、長期発行体格付もAAを維持しています。また、固定金利比率68.7%を確保し、金利上昇局面への備えを進めています。
さらに、投資主価値向上策の一環として自己投資口取得と消却を実施しました。当期には約9億円分の自己投資口を取得・消却し、1口当たり価値の向上を図っています。今後も物件譲渡による資金創出と財務柔軟性を活かしながら、物件取得、借入返済、自己投資口取得など最適な資本政策を選択する方針です。
サステナビリティへの取り組みでは、優れた環境性能を有する都市型資産への投資を継続しました。保有物件の多くが高水準の環境認証を取得しており、環境認証取得割合はJ-REITでも最高水準に位置しています。また、スポンサーグループが推進する大規模再開発エリアでは豊富な緑地や生物多様性ネットワークの形成にも取り組んでおり、都市環境の改善に寄与しています。さらに、国際的な環境認証であるLEEDやWELL認証の取得により、環境性能だけでなく利用者の健康や快適性にも配慮した施設運営が行われています。
「100年REIT」を見据えた長期的な価値創造
2026年7月期は、営業収益111億円、当期純利益58億円を計上し、1口当たり分配金は3,100円となりました。物件譲渡益を活用して分配金水準を維持しながら、一方で譲渡益に依存しない実力ベースの収益成長も着実に進めています。また、1口当たりNAVは166,139円まで上昇し、保有物件の鑑定評価額上昇を背景に資産価値も着実に高まっています。
今後は、ラフォーレ原宿(底地)の段階的な譲渡による売却益還元を継続しながら、スポンサーパイプラインを活用した新規取得や賃料増額による内部成長を組み合わせ、分配金水準4,000円超の維持とさらなる成長を目指しています。東京都心5区とその周辺地区に100%投資する強い地域集中戦略、森ビルグループによる継続的なエリア価値向上、そして高品質な都市型不動産に支えられた運用力によって、「100年REIT」を掲げる長期的な価値創造への歩みを着実に進めた期であったといえます。
