2020年7月19日にジャパン・インフラファンド投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が1,166円のところ1,171円で着地しました。
尚、利益超過分配金614円が含まれています。
IPOによる上場と15物件の取得でスタートしたポートフォリオ形成
2020年5月期のジャパン・インフラファンド投資法人にとって最大の出来事は、東京証券取引所インフラファンド市場への上場と、それに伴う大規模な資産取得でした。2019年10月の設立後、2020年2月に公募増資を実施し、同月20日に上場を果たしました。その翌日の2020年2月21日には、取得価格合計100.9億円、パネル出力合計30.4MWに及ぶ15物件の太陽光発電設備等を取得し、本格的な運用を開始しています。
取得した資産は全国に分散された太陽光発電所で構成されており、発電設備の安定運営を通じて収益基盤の確立を図りました。実際の運用開始後の発電実績は堅調に推移し、2020年2月から5月までの累計発電電力量は想定発電量を上回り、計画比102.7%を達成しました。新型コロナウイルス感染拡大による経済活動停滞という厳しい環境下にありながらも、発電事業への影響は限定的であり、保有資産は安定的に稼働しました。
また、中長期的な成長戦略として、スポンサーやパイプラインサポート会社からの物件供給を活用しながら、取得価格ベースで1,000億円規模を目指す方針を掲げており、上場初年度から将来の外部成長に向けた基盤づくりも進めました。
上場資金を活用した財務基盤の構築と再生可能エネルギーによる環境価値の創出
財務面では、上場時の公募増資および第三者割当増資により資本を調達するとともに、資産取得資金として59億円の借入れを実施しました。その後、約定返済を進めた結果、2020年5月末時点の借入残高は57.85億円となり、LTVは45.8%となっています。さらに、R&Iから発行体格付「A(安定的)」を取得し、財務の健全性と信用力を示しました。加えて、取得資産の取得資金に充当した借入金については、グリーンファイナンス評価において最上位評価の「GA1」を取得しています。
業績面では、営業収益382百万円、営業利益158百万円、経常利益41百万円、当期純利益40百万円を計上しました。想定を上回る発電実績や変動賃料の寄与もあり、当初予想を上回る利益を確保しています。これを受けて1口当たり分配金は利益超過分配金を含め1,171円となりました。
サステナビリティの観点では、保有する15物件の太陽光発電設備により、化石燃料火力発電と比較して年間約2万トンのCO₂排出量削減効果が見込まれています。再生可能エネルギーの主力電源化が国の方針として掲げられる中、同投資法人は安定した再生可能エネルギー供給を通じて脱炭素社会の実現に貢献する体制を整えました。
インフラファンド市場への参入と安定運営の確立
2020年5月期は、ジャパン・インフラファンド投資法人にとって実質的なスタートアップ期間でありながら、上場、資産取得、運用開始という重要なイベントを短期間で完遂した期となりました。15物件からなるポートフォリオを構築し、発電実績は計画を上回って推移したほか、収益面でも当初想定を上回る成果を残しています。
また、新型コロナウイルス感染拡大による市場環境の悪化局面においても、再生可能エネルギー資産の安定性を背景に事業基盤を確立し、財務健全性や環境価値の両面で評価を獲得しました。2020年5月期は、今後の資産規模拡大と分配金成長に向けた土台を築いた創業期として位置付けられる期であったといえます。
