2024年1月19日にジャパン・インフラファンド投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,010円のところ3,010円で着地しました。
尚、利益超過分配金1,233円が含まれています。
出力制御の影響を抑えながら45物件の安定運用を継続

2023年11月期のジャパン・インフラファンド投資法人における最も特徴的な点は、新規物件の取得を行わない一方で、保有する45物件の太陽光発電設備を安定的に運営し、出力制御拡大という事業環境の変化に対応したことです。期末時点の保有資産は45物件、パネル出力152.8MW、取得価格総額568.9億円を維持しており、これまで積み上げてきたポートフォリオを着実に運用する局面となりました。
当期は全国的に出力制御の対象地域が拡大するなかで、保有物件においても北海道、東北、北陸、中国、九州エリアの発電所で出力制御の影響を受けました。しかし、上場以来進めてきた地域分散戦略が奏功し、ポートフォリオ全体への影響は限定的なものにとどまりました。2023年6月から11月までの累計発電電力量は85,953,296kWhとなり、想定発電量85,213,517kWhを上回る計画比100.87%を達成しています。出力制御や一部天候不順の影響を受けながらも、ポートフォリオ全体では計画を上回る発電実績を確保しました。
また、将来の外部成長に向けた準備も継続されました。スポンサーやパイプラインサポート会社との連携を活用しながら、約150MWのパイプラインを確保するとともに、太陽光発電設備に加えて非FIT案件や風力・バイオマス・水力発電設備など、より多様な再生可能エネルギー資産の組み入れを視野に入れた成長戦略を維持しています。
新規資金調達を行わず財務健全性を維持

財務面では、当期中に新たな資金調達は実施されませんでした。一方で、2023年8月末に消費税ローン1,550百万円を返済し、さらに約定返済1,126百万円を実施した結果、2023年11月末時点の借入残高は28,384百万円となりました。LTVは46.9%となっており、資産規模拡大後も安定した財務運営が継続されています。また、R&Iによる発行体格付A(安定的)も維持されました。
業績面では、営業収益2,847百万円、営業利益826百万円、経常利益671百万円、当期純利益670百万円を計上しました。出力制御や天候不順による変動賃料の減少があったものの、資産運用報酬や各種経費の削減に加え、保険金収入の計上などが寄与し、経常利益および当期純利益は予想を上回る着地となっています。分配金は1口当たり3,010円となり、安定した投資主還元を継続しました。
サステナビリティ面では、再生可能エネルギーの主力電源化を掲げる国のエネルギー政策を追い風として、既存ポートフォリオを通じたクリーンエネルギー供給を継続しました。また、再生可能エネルギー大量導入に伴う出力制御問題についても、国が新たな出力制御対策パッケージを公表するなど改善に向けた動きが進展しており、同投資法人もその恩恵を見据えながら運営を行っています。さらに、スポンサーグループによる太陽光パネルのリユース・リサイクルへの取り組みなどを通じて、循環型社会の実現にも貢献しています。
発電実績の積み上げと次なる成長への準備を進めた期
2023年11月期は、急速に拡大する再生可能エネルギー市場のなかで、出力制御という新たな課題への対応力が問われた期でした。そのような環境下においても、45物件からなる分散型ポートフォリオを安定的に運営し、発電量は計画を上回る実績を確保しました。営業収益2,847百万円、営業利益826百万円、経常利益671百万円、当期純利益670百万円と収益面でも堅調な成果を残しています。
また、2023年11月期は大型の資産取得こそ実施しなかったものの、豊富なパイプラインを活用した成長戦略を維持するとともに、地域分散によるリスク低減効果を改めて示した期でもありました。2023年11月期は、これまで拡大してきたポートフォリオの価値を着実に高めながら、次の成長局面に向けた準備を進めた期であったといえます。
