2025年7月16日にジャパン・インフラファンド投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,000円のところ2,000円で着地しました。
尚、利益超過分配金838円が含まれています。
借入を活用した4物件取得で資産規模710億円へ拡大

2025年5月期のジャパン・インフラファンド投資法人における最大の取り組みは、公募増資を伴わず、借入を活用して4物件の太陽光発電設備を取得したことです。2024年12月に茨城北茨城太陽光発電所、福島相馬原釜1号・2号太陽光発電所、兵庫赤穂太陽光発電所、岐阜瑞浪1号・2号太陽光発電所を取得し、保有資産は61物件から65物件へ増加しました。これにより、取得価格総額は676.5億円から710.8億円、パネル出力は185.2MWから194.9MWへ拡大しています。
今回の取得では、初めて中部エリアの物件を組み入れたほか、リパワリングを実施した案件も取得しました。特に茨城北茨城太陽光発電所では、取得前に高効率な両面パネルへの更新や配置最適化が行われており、発電効率向上と維持管理性改善が図られています。また、地域分散の強化によって、出力制御リスクの低いエリアの構成比率が高まり、ポートフォリオの安定性向上にもつながりました。
内部成長の面では、発電量向上に向けた取り組みが進展しました。静岡大岩太陽光発電所で実施したパネル洗浄の効果検証では発電量増加を確認し、他の保有物件への展開も開始されています。また、兵庫多可太陽光発電所や新潟柿崎太陽光発電所においてオンライン制御対応を進め、東京電力管内を除くポートフォリオの約81%でオンライン化が完了しました。出力制御による機会損失を抑制する体制整備が進んだことは、当期の特徴的な成果といえます。
出力制御拡大への対応と次世代エネルギー戦略の検討開始

財務面では、4物件の取得資金および関連費用に充当するため、2024年12月に4,606百万円の借入れを実施しました。その後、約定返済1,305百万円を行った結果、2025年5月末時点の借入残高は36,274百万円、LTVは50.7%となっています。また、R&Iの発行体格付A(安定的)を維持しながら、16行に分散した金融機関との取引体制を継続しました。
業績面では、営業収益3,182百万円、営業利益719百万円、経常利益511百万円、当期純利益510百万円を計上しました。当期は出力制御の増加や天候不順の影響を受け、発電電力量は想定発電量102,348MWhに対して92,550MWhとなり、計画比90.43%にとどまりました。特に2025年3月から5月にかけて出力制御日数が増加し、九州エリアを中心に発電量が大きく下振れしましたが、経費削減や保険金収入などが利益を下支えしました。
サステナビリティ面では、2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画を背景に、再生可能エネルギーの主力電源化に対応する取り組みを強化しました。特に将来の成長戦略として、蓄電池への投資検討を開始し、系統用蓄電池設備やFIT発電所への蓄電池併設に関する基本合意を締結しています。また、出力制御の影響低減を目的として、FIT案件のFIP転換についても検討を開始しており、ポストFIT時代を見据えた収益基盤の強化に着手しました。
資産規模拡大とポートフォリオ高度化を同時に進めた転換期
2025年5月期は、借入を活用した機動的な資産取得によって資産規模を710.8億円まで拡大し、保有資産数は上場インフラファンド最多となる65物件へ到達した期でした。公募増資に依存しない成長手法を採用したことで、投資口数を維持したまま資産規模を拡大し、地域分散もさらに進展しています。
一方で、出力制御の拡大や天候不順という再生可能エネルギー市場特有の課題が顕在化した期でもありました。そのなかで、パネル洗浄やオンライン制御化による発電量向上施策を進めるとともに、蓄電池投資やFIP転換の検討を開始したことは、将来の収益力向上に向けた重要な一歩となりました。2025年5月期は、営業収益3,182百万円、営業利益719百万円、経常利益511百万円、当期純利益510百万円を確保しながら、資産規模の拡大とポートフォリオの質的向上を並行して進めた転換期だったといえます。
