2026年10月19日に大和ハウスリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,483円のところ2,674円で着地しました。
尚、利益超過分配金439円が含まれています。
資産入替を加速しポートフォリオのインフレ耐性を強化

2026年8月期の大和ハウスリート投資法人は、継続的な資産入替を成長戦略の中核に据え、ポートフォリオの質向上とインフレ耐性の強化を進めました。当期は那覇新都心センタービルの準共有持分10%を21億円で譲渡し、売却価格は鑑定評価額を上回る水準となりました。これにより期末時点のポートフォリオは231物件、取得価格ベースで9,139億円の資産規模を維持しています。
内部成長では、各アセットで積極的な賃料増額を推進しました。物流施設では稼働率99.4%という高水準を維持しながら、契約更改時の賃料増額や普通借家契約から定期借家契約への切替え、CPI条項の導入などを進め、収益力とインフレ対応力を高めました。居住施設では平均稼働率97.0%を維持しつつ、テナント入替時の賃料増減率が16.6%、更新時の賃料増減率が2.4%といずれも過去最高水準を記録しました。また、富裕層向け住戸を中心にリノベーション投資を実施し、高い賃料上昇効果を実現しています。
商業施設でも複数物件で賃料増額による再契約を実施し、月額賃料は前年同期比で大きく伸長しました。ホテルについてもインバウンド需要の回復を背景にADRやRevPARが好調に推移し、変動賃料は前年同期比12.9%増となるなど、各資産タイプで内部成長が進展した期となりました。
内部成長の進展と安定した財務運営を両立

2026年8月期の業績は、各アセットにおける賃料上昇効果が寄与し、営業収益31,249百万円、営業利益14,312百万円、経常利益12,139百万円、当期純利益12,137百万円となりました。不動産売却益は前期比で減少したものの、物流施設や居住施設を中心とする賃料収入の増加や修繕費の平準化により、安定した収益を確保しています。
財務面では、返済期限を迎えた借入金について総額245億円のリファイナンスを実施し、資金調達基盤の安定化を図りました。この結果、期末の有利子負債残高は4,079億円、LTVはのれん除きで45.6%となり、引き続き適切な水準でコントロールされています。また、JCRのAA格付け、R&IのAA-格付けを維持し、高い信用力を確保しています。
サステナビリティの分野では、環境認証取得の推進やグリーンリース契約の拡大を継続しました。2026年9月末時点でグリーンリース契約締結割合は延床面積ベースで99.7%に達し、環境認証取得割合も73.4%を維持しています。また、CDP気候変動プログラムでは5年連続で最高評価のAスコアを獲得し、GRESBリアルエステイト評価では9年連続となるGreen Star評価を取得しました。さらに、商業施設におけるLED化工事など、省エネルギー施策にも取り組んでいます。
売却益還元と賃料成長を両輪とした投資主価値向上
2026年8月期の大和ハウスリート投資法人は、資産入替によるポートフォリオ再構築と、各アセットにおける力強い内部成長を両立させた期でした。特に物流施設と居住施設での賃料増額が大きく進展し、インフレ環境下でも安定的なキャッシュフロー創出力を示しました。さらに、含み益を有する資産の売却を進めることで、将来の分配金原資を確保するとともに、売却益の投資主還元にも道筋を付けています。
また、資産規模9,000億円超の総合型REITとして、多様なアセットによる収益分散効果を発揮しながら、高稼働率と高い含み益を維持しました。金利上昇局面への対応として資本政策や負債管理の見直しも進めており、収益力の向上と財務健全性の維持、さらにESG施策の推進を同時に実現した一年だったといえます。今後は資産入替の加速と継続的な賃料成長を通じて、さらなる投資主価値向上が期待されます。
