2024年2月16日に東京インフラ・エネルギー投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,800のところ2,822円で着地しました。
尚、利益超過分配金1,325円が含まれています。
逆風を乗り越えた既存ポートフォリオの運営力強化

2023年12月期は、新たな資産取得を実施せず、保有する23件の太陽光発電所の安定運営と収益力向上に注力した期となりました。保有資産の取得価格総額は291億円、パネル出力合計は69.84MWを維持しており、全国各地に分散したポートフォリオを活用しながら安定的な事業運営を推進しました。
内部成長の面では、各発電所における適切な保守・メンテナンスを継続し、発電設備の安定稼働に取り組みました。当期のポートフォリオ全体の発電量は予想発電量に対して98.2%となり、概ね計画に近い水準を確保しています。特に決算説明12期に記載された実績では、TI龍ヶ崎太陽光発電所やTI龍ヶ崎第二太陽光発電所、TI久野太陽光発電所などで予想発電量を上回る成果を記録しました。
一方で、TI牛久太陽光発電所およびTI矢吹太陽光発電所では電気ケーブル盗難による一部発電停止が発生したほか、TI桜太陽光発電所では北陸地方の記録的大雨の影響による発電停止が生じました。しかし、速やかな復旧工事や防犯対策の強化を進めるとともに、保険金による補填を活用したことで収益への影響を抑制しています。設備トラブル発生時の対応力を示した点も、当期の特徴の一つとなりました。
また、外部成長の観点では新規取得はなかったものの、スポンサーグループの開発・運営ノウハウを活かしながら、太陽光発電に加えて風力発電やバイオマス発電、水力発電、地熱発電を含む幅広い再生可能エネルギー分野への投資機会を引き続き模索しています。将来的な資産取得に向けた体制整備を継続し、中長期的な成長基盤の強化を進めました。
財務健全性の向上と脱炭素社会への貢献

財務面では、新たな資金調達を実施することなく、借入金の返済を着実に進めました。当期中にタームローン566百万円の約定返済を実施した結果、借入金残高は141億6百万円まで減少し、有利子負債比率(LTV)は47.8%となりました。前期末の48.3%からさらに改善しており、積極的な成長投資を実施した2022年から財務体質の強化が進んでいます。
業績面では、営業収益1,248百万円、営業利益261百万円、経常利益268百万円、当期純利益268百万円を計上しました。ケーブル盗難や豪雨被害に伴う修繕費、防犯強化費用などが発生したものの、保険金収入による補填や運営コストの適切な管理によって、ほぼ計画どおりの業績を達成しています。分配金については、1口当たり2,822円とし、投資主への安定的な利益還元を継続しました。
サステナビリティへの取り組みでは、再生可能エネルギー発電設備への投資を通じて脱炭素社会の実現に貢献しました。2023年の年間CO₂排出抑制量は約33,870トンに達しており、再生可能エネルギーの普及拡大に寄与しています。さらに、政府が推進するGX(グリーントランスフォーメーション)政策や再生可能エネルギー主力電源化の流れを追い風として、環境価値の創出に取り組みました。
また、ESGへの対応では、グリーンファイナンス・フレームワークに基づく資金調達体制を維持し、株式会社日本格付研究所から最高位の「Green 1(F)」評価を継続取得しています。長期発行体格付も「A-(安定的)」を維持しており、環境配慮と財務健全性の両立が外部から評価されました。
安定運営を通じて持続的成長を見据えた期
2023年12月期は、大規模な資産取得による成長ではなく、既存ポートフォリオの価値向上と運営力強化に重点を置いた一年となりました。ケーブル盗難や豪雨災害といった予期せぬリスクに直面しながらも、迅速な復旧対応と保険活用によって収益への影響を抑え、安定した分配を継続したことは大きな成果といえます。
また、借入金の削減による財務体質の改善、全国に分散した23物件の安定運営、そして脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギー投資の推進など、持続的な成長に向けた基盤強化も着実に進展しました。事業環境の変化や自然災害リスクに対応しながら、安定した収益創出と社会的価値の提供を両立した期であったと評価できます。
