2022年8月19日に東京インフラ・エネルギー投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,072のところ3,080円で着地しました。
尚、利益超過分配金744円が含まれています。
安定運営を軸に次なる拡大へ備えたポートフォリオ戦略

2022年6月期は、保有する11件の太陽光発電所の安定運営を重視しながら、将来の成長に向けた準備を進めた期となりました。当期中に新たな資産取得や保有資産の売却は行われませんでしたが、保有資産の適切な保守・メンテナンスを継続し、収益力の向上に努めています。
内部成長の面では、発電設備の安定稼働に注力した結果、ポートフォリオ全体の発電量は予想発電量に対して99.4%と、ほぼ計画どおりの水準を達成しました。全般的に好天に恵まれたことに加え、各発電所で日常的な保守管理を徹底したことが好業績につながりました。特にTI新見太陽光発電所やTI岡山太陽光発電所などでは予想を上回る発電実績を記録し、ポートフォリオ全体の安定性を支えています。一方で、前期に発生したケーブル盗難の影響が一部発電所に残ったものの、復旧対応を進めることで影響の抑制に努めました。
また、外部成長に向けた取り組みとして、スポンサーであるアドバンテックグループの開発案件に加え、資産運用会社独自の取得ルートを活用した投資機会の拡充を進めました。当期末には公募増資による新たな資産取得計画を発表しており、スポンサー案件だけでなく外部案件も取り込むことで、さらなる資産規模拡大と地域分散の強化を目指す体制を整えています。取得予定資産は12物件、取得価格ベースで約93億円に及び、取得後の資産規模は約291億円と上場時の3倍超へ拡大する見込みとなりました。
堅実な財務運営とESGへの取り組み強化

財務面では、新たな借入れを行わず、既存借入金の返済を継続しました。当期中にはタームローンを合計4億800万円返済し、借入金残高は103億28百万円まで減少しています。この結果、有利子負債比率(LTV)は51.3%となり、前期末から改善が進みました。また、株式会社日本格付研究所から長期発行体格付「A-(安定的)」を維持しており、財務基盤の健全性が評価されています。
業績面では、営業収益936百万円、営業利益315百万円、経常利益260百万円、当期純利益259百万円を計上しました。発電実績がおおむね計画どおりに推移したことに加え、大規模点検の実施時期のずれや運営コストの効率化によって営業費用が予算を下回りました。また、設備復旧に伴う保険金収入も収益を押し上げ、当期純利益は予想を上回る結果となっています。1口当たり分配金は3,080円となり、安定した投資主還元を継続しました。
サステナビリティの分野では、再生可能エネルギー発電設備への投資を通じて脱炭素社会の実現に貢献しました。国が推進する2050年カーボンニュートラルや再生可能エネルギー主力電源化の流れを踏まえ、安定的な発電と資本供給を継続しています。さらに当期にはグリーンファイナンス・フレームワークを整備し、第三者評価機関から最高位の評価を取得しました。これにより、ESGを重視する投資家層への訴求力を高めるとともに、環境価値と資金調達力の両立を図る体制を構築しました。
次の成長ステージへ踏み出す転換期
2022年6月期は、大規模な資産取得そのものは実施しなかったものの、既存ポートフォリオの安定運営と財務体質の改善を進めながら、次の成長ステージに向けた準備を着実に進めた一年でした。発電実績はほぼ計画どおりに推移し、コスト管理や保険金収入も寄与したことで、利益面では予想を上回る成果を残しています。
また、グリーンファイナンス体制の整備や格付の維持に加え、外部案件を積極的に取り込む新たな成長戦略を打ち出したことは大きな特徴でした。保有資産の安定運営による内部成長と、資産規模拡大による外部成長を両輪として進めることで、再生可能エネルギー市場の拡大を取り込みながら中長期的な投資主価値向上を目指す姿勢を鮮明にした期であったといえます。
