2021年2月17日に東京インフラ・エネルギー投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,898円のところ2,898円で着地しました。
尚、利益超過分配金2,416円が含まれています。
全国分散ポートフォリオへの飛躍と運営基盤の拡充

2020年12月期は、東京インフラ・エネルギー投資法人にとって大きな転換点となる期でした。2018年の上場以来初となる公募増資を実施し、その調達資金を活用して新たに6件の太陽光発電所を取得しました。これにより保有物件数は5件から11件へ増加し、合計パネル出力も約20MWから約46MWへと大幅に拡大しました。取得した発電所は北海道、岡山県、愛媛県、鹿児島県など全国各地に分散しており、従来は東日本に偏っていたポートフォリオの地域分散が大きく進展しました。
内部成長の面では、既存資産と新規取得資産の双方において安定運営を徹底しました。当期は7月の長梅雨を中心とする天候不順の影響を受け、ポートフォリオ全体の発電量は予想比93.2%にとどまりました。しかし、11物件中5物件は予想発電量を上回る実績を残しており、適切な保守・管理体制によって設備の安定稼働を維持しました。特に、新たに取得した複数の発電所が順調に稼働したことで収益基盤の拡大につながり、今後の安定的なキャッシュフロー創出への期待を高めています。
また、スポンサーであるアドバンテックが有する開発・運営ノウハウや豊富なパイプラインを活用しながら、太陽光発電に加えて風力発電、バイオマス発電、水力発電、地熱発電なども視野に入れた成長戦略を継続しました。規模拡大と分散投資の両立を進めることで、中長期的な成長に向けた基盤を一段と強化した期となりました。
積極的な資金調達と脱炭素社会を支える投資活動

財務面では、公募増資により約57億円を調達するとともに、新規資産取得資金として約78億円の借入れを実施しました。これにより新規発電所の取得を実現しながらも、期末のLTVは54.9%にとどまり、一定の財務規律を維持しています。借入金については長期借入れを中心に構成し、金利スワップを活用することで将来的な金利上昇リスクの抑制にも取り組みました。
業績面では、新規取得資産の寄与によって営業収益は644百万円となりました。一方で、長梅雨などの天候要因による発電量低下の影響を受け、営業利益は198百万円、当期純利益は132百万円となっています。それでも経費削減や効率的な運営を進めたことで収益性を維持し、1口当たり分配金は利益超過分配金を含めて2,898円を確保しました。安定性と上振れの両立を目指した独自の賃料体系も引き続き機能し、発電量が一定水準を確保したことで実績連動賃料も収受しています。
サステナビリティの観点では、再生可能エネルギー発電設備への投資を通じて脱炭素社会の実現に貢献しました。政府が掲げる2050年カーボンニュートラル方針や再生可能エネルギーの主力電源化の流れを背景に、同投資法人は再生可能エネルギー事業への資金循環を支える役割を担っています。ポートフォリオの拡大によってクリーンエネルギー供給能力を高めたことは、環境価値の創出という面でも大きな意義を持ちました。
成長フェーズへの転換を果たした躍進の一年
2020年12月期は、東京インフラ・エネルギー投資法人が運用規模の大幅拡大を実現し、新たな成長ステージへ踏み出した一年でした。上場後初の公募増資によって資産規模を約2倍超へ拡大し、保有地域の分散や収益基盤の強化を進めたことで、ポートフォリオの安定性は大きく向上しました。
当期は天候不順の影響によって発電実績が予想を下回る局面もありましたが、安定的な賃料体系と適切な資産運営によって分配金水準を維持し、投資家への還元を継続しました。さらに、再生可能エネルギー市場の拡大を追い風として、将来的な資産取得機会や投資対象の多様化に向けた準備も進めています。規模拡大と運営力向上を同時に実現したことで、持続的な成長を目指すインフラファンドとしての基盤を大きく強化した期であったと評価できます。
