授乳中にはお馴染みの処方薬
産後から始まる赤ちゃんのお世話で、お母さんには休みがありません。
夜中も赤ちゃんに授乳をするので、お母さんは睡眠不足になります。
毎日の子育ての疲れと睡眠不足で、体調を崩すお母さんも出てきます。
体調を崩しても、子育ては待ってくれません。
ミルクやオムツ替えなどのお世話はお母さん以外でも出来ます。
でも、赤ちゃんが母乳しか飲まない場合は、お母さんしか出来ません。
体調不良のときのお母さん達の対応も色々です。
自分なりの対処法を駆使しながら、赤ちゃんのお世話をするお母さん。
ドラッグストアなどに駆け込むお母さん。
病院を受診するお母さん。
赤ちゃんを連れて病院へ行くのも大変です。
赤ちゃんが何か風邪菌を貰ってくるリスクもあります。
このような理由から、病院へ行くことを躊躇って我慢するお母さんは多いです。
我慢しなくても、自分なりの対処法で自然治癒を目指すお母さんもいます。
でも、病院に行かなくてもドラッグストアなどで市販薬を買うことも出来ます。
もちろん病院を受診した方が、処方箋という面では安心ですね。
市販薬でも、授乳中に服用出来る薬は増えています。
授乳中のお母さんを悩ませる体調不良は、何があると思いますか?
まずは、人間誰もがいつでも罹る可能性のある「風邪」です。
風邪には、頭痛や発熱など色々な症状があり、それぞれが不快なものです。
他の体調不良は、授乳中のお母さんによくあるトラブルの「乳腺炎」です。
乳腺炎は、母乳育児をしている多くのお母さんが知っているトラブルですね。
そして、母乳育児をしているお母さんの多くがかかったことのあるトラブルです。
そんな風邪や乳腺炎などで病院を受診すると、お馴染みの薬が処方されます。
・葛根湯
・カロナール
この2つを処方箋として受け取るお母さんは多いです。
授乳中のお母さんにとって、強い味方なんですよ。
葛根湯
漢方薬も色々ありますが、葛根湯は風邪の引き始めに効果を発揮します。
副作用が少ないので、授乳中のお母さんも服用出来ます。
授乳中のお母さんの味方ですが、妊娠中のお母さんにとっても強い味方です。
・葛根(カッコン)
・麻黄(マオウ)
・桂皮(ケイヒ)
・甘草(カンゾウ)
・芍薬(シャクヤク)
・生姜(ショウキョウ)
・大棗(タイソウ)
葛根湯は、上の7種類の生薬を組み合わせて作られます。
それぞれの生薬の効果は以下の通りです。
・葛根
葛餅や葛湯で使う「クズ」と同じ植物で、クズの根を乾燥させたものです。
発汗と鎮痛の効果を発揮します。
・麻黄
シナマオウなどの地上茎で、交感神経系を刺激して気管支を広げます。
血圧上昇効果もあり、飲み合わせに注意が必要なエフェドリンを含みます。
・桂皮
シナモンなどの香辛料と同じで、スパイスの王様や薬物の王様と珍重されています。
発汗や解熱、鎮痛の効果があり、糖尿病予防の効果も示されています。
・甘草
ウラルカンゾウかスペインカンゾウの、いずれかを使った生薬です。
多くの漢方薬に使われ、消炎作用があり、グリチルリチン酸を含みます。
・芍薬
芍薬の根を使った生薬で、鎮痛や炎症改善、止血などの効果があります。
・生姜
ショウガと同じもので、胃を整えたり吐き気を抑えたり、体を温める効果があります。
・大棗
ナツメの実を乾燥させたもので、鎮静効果があります。
カロナール
解熱鎮痛剤にも、漢方薬と同じように種類が色々ありますね。
ただ、漢方薬と違って、授乳中に飲める解熱鎮痛剤は限られます。
よく聞く解熱鎮痛剤は、ロキソニンではないでしょうか?
病院で処方される代表的な解熱鎮痛剤はロキソニンですよね。
解熱鎮痛剤の種類は、大きく2つに分けられるんです。
多くの解熱鎮痛剤は、NSAIDs(エヌセイズ)という非ステロイド性抗炎症薬なんです。
ロキソニンはこのNSAIDsに分類されます。
プロスタグランジンという痛みや発熱などの原因物質が体内で作られるのを抑えます。
そして、炎症の腫れや痛みを和らげて解熱するんです。
では、NSAIDsに分類されない解熱鎮痛剤とは何でしょう?
これは、アセトアミノフェン製剤であるカロナールなどです。
非ピリン系解熱鎮痛薬に分類されます。
脳の中枢神経や体温調節中枢に作用し、解熱鎮痛効果が出ます。
カロナールは、ロキソニンなどのNSAIDsよりも鎮痛効果が優しくなっています。
なので、授乳中のお母さんや子供、妊娠中にも使える解熱鎮痛剤です。
インフルエンザでも比較的安全に使えるんですよ。
気をつけなければならない飲み合わせ問題
漢方薬の葛根湯と、解熱鎮痛剤のカロナールについて、見てみました。
どちらも授乳中や妊娠中に処方されることが多いです。
その理由が分かりましたね。
でも、薬には飲み合わせという問題もあります。
間違った組み合わせで飲んでしまうと、どうなるでしょう?
薬の効果が過剰に出たり、その逆で全然効果が出なかったりと様々です。
薬を逆から読むと「リスク」になります。
状況によっては、命の危険にもなり得てしまいます。
葛根湯とカロナールの飲み合わせを見てみましょう。
葛根湯とカロナールの飲み合わせは?
カロナールの主成分は、アセトアミノフェンです。
アセトアミノフェンと葛根湯は、相互作用の副作用の危険は少ないとされています。
なので、飲み合わせは問題ありません。
ちなみに、葛根湯エキスとアセトアミノフェンの両方を含む市販薬があります。
それは、「プレコールエース顆粒」です。
まとめ
授乳中に一緒に処方されることが多い、葛根湯とカロナール。
授乳中のお母さんにとって、とても活躍してくれる味方です。
いざというときに、上手く活用出来るように、気をつけながら服用しましょう。
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