2026年10月15日にGLP投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,315円のところ3,660円で着地しました。
尚、利益超過分配金393円が含まれています。
4物件取得と物件売却を通じた規律あるキャピタルアロケーション

2026年8月期のGLP投資法人は、外部成長と投資主価値向上を両立するため、規律あるキャピタルアロケーションを推進しました。当期には第三者案件であるMarq南足柄を取得したほか、スポンサー開発物件であるMarq常総2、ALFALINK茨木2、Marq広島2の計4物件を取得しました。これらの取得資産はいずれも物流需要の底堅いエリアに所在し、全ての賃貸借契約にCPI連動条項が導入されていることから、将来的な収益成長が期待できる物件として組み入れられています。
一方で、ポートフォリオの質の向上と含み益の還元を目的としてGLP東海を譲渡し、さらにMarq富里の売却契約も締結しました。売却資産はいずれも取得価格を大きく上回る価格で譲渡されており、物件売却による利益を投資主還元と成長投資の双方に活用する方針を明確にしています。
内部成長においては、物流施設市場の需給改善を背景に高い賃料成長を実現しました。スポンサーのリーシングチームとの緊密な連携により、上場以来28期連続となる賃料増額を達成しています。当期の契約満了時の賃料改定では平均10.1%の増額を実現したほか、CPI連動条項による契約期間中の賃料改定でも7.4%の上昇を達成しました。さらにポートフォリオの90%超がインフレ対応契約となっており、物価上昇を収益成長へ取り込める体制が構築されています。
こうした取り組みの結果、当期末の保有資産は88物件、取得価格総額9,060億円となり、ポートフォリオ稼働率は99.0%という高水準を維持しました。また、含み益は3,338億円、含み益率は39.3%に達し、資産価値の向上も着実に進展しています。
力強い内部成長と金利上昇局面に対応した財務戦略

2026年8月期の最大の特徴の一つは、賃料成長を原動力とした収益拡大です。物流施設市場では首都圏や関西圏を中心に需給環境の改善が続き、マーケット賃料の上昇が加速しました。その中でGLP投資法人は市場賃料を上回る賃料改定を実現し、既存資産の競争力を十分に活用しました。
また、バリューアッド戦略にも注力しており、再開発、太陽光発電設備の導入、空調設備の整備、危険物倉庫へのコンバージョンなど、総額約250億円規模の投資機会を見据えながら、中長期的な収益拡大に向けた取り組みを進めています。
財務面では、2026年6月に返済期限を迎えた283億円の借入金の借換えを実施したほか、新規物件取得資金として410億円を調達しました。新規金融機関との取引開始や変動金利借入の柔軟な活用によって資金調達コストの抑制を図り、当期末の有利子負債残高は4,375億円となりました。LTVは48.1%で推移し、JCRからはAAの長期発行体格付を維持しています。
業績面では、営業収益30,454百万円、営業利益17,328百万円、経常利益15,534百万円、当期純利益15,532百万円を計上しました。力強い内部成長と物件売却益の寄与により、1口当たり分配金は3,660円と過去最高を更新しています。また、自己投資口取得や継続的利益超過分配の引き上げによる投資主還元強化も実施されました。
サステナビリティへの取り組みも着実に深化しました。GRESBリアルエステイト評価では7年連続で最高評価となる「5 Star」を取得し、「Green Star」も12年連続で獲得しています。さらにCDP気候変動評価ではA-評価を取得しました。環境認証取得割合は延床面積ベースで94.8%に達しており、太陽光発電設備の設置や再生可能エネルギー活用、全賃貸借契約へのグリーンリース導入など、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを積極的に推進しています。
過去最高の分配金を実現した成長と還元の好循環
2026年8月期のGLP投資法人は、物流施設市場の追い風を的確に捉えながら、外部成長と内部成長の双方で大きな成果をあげた期となりました。成長性の高い物流施設を厳選して取得する一方で、売却による含み益の顕在化を進め、ポートフォリオの質と収益力を高めています。
また、28期連続の賃料増額という実績に象徴されるように、物流施設に特化した高い運営能力を背景として、インフレ環境下でも安定的かつ力強い内部成長を実現しました。さらに、自己投資口取得や利益超過分配の拡充など、投資主還元にも積極的に取り組んでいます。
