2021年2月15日にいちごグリーンインフラ投資法人の中間決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,820円となっています。
「安定運用を軸にした成長余力の確保」

当中間期は新規取得こそありませんが、スポンサーグループの開発力とネットワークを背景に、外部成長の基盤を着実に維持しています。グループは全国で多数の太陽光発電所を開発・運営しており、今後も継続的な供給が可能な体制を整えています。地方公共団体や他事業者との関係性も強く、グループ外案件の取得余地も広がっています。こうした環境は、当期に動きがなかったとしても、将来のポートフォリオ拡大に向けた確かな選択肢を保持している点で重要です。
内部成長では、オペレーターによる統合監視システムを活用した運営管理が引き続き機能し、発電ロスの最小化に寄与しました。北海道から沖縄まで広範囲に点在する発電所をリアルタイムで監視し、故障の早期発見と復旧対応を徹底することで、天候不順の影響を受けながらも安定した発電量を確保しています。実際、個別発電所の実績を見ると、地域分散が奏功し、マイナス幅の大きい発電所があっても全体としては予想比▲2.2%に収まりました。内部成長の源泉である運営管理力が、当期の収益安定を支えたと言えます。
「固定化された財務基盤と環境価値の創出」

財務面では、新規借入はなく、約定返済により借入残高は6,056百万円となりました。すべての長期借入金は金利スワップにより固定化されており、金利上昇局面でも安定した財務運営が可能な体制を維持しています。期末LTVは58.8%と前期から低下し、長期予想でも段階的にLTVが低下していく見通しが示されており、財務健全性を高める方向性が明確です。営業費用の削減も進み、営業利益・経常利益・純利益はいずれも期初予想を上回りました。
サステナビリティ対応では、保有発電所の年間CO₂削減量が22,520トンに達し、11,374世帯分の年間消費電力に相当する再生可能エネルギーを供給しています。地域分散による災害耐性も高く、令和2年7月豪雨や台風10号において被害がなかった点は、環境リスクへの備えとして評価できます。また、各発電所では積雪・強風・台風など地域特性に応じた設計を施し、自然環境への適応力を高めています。こうした取り組みは、単なる発電事業にとどまらず、地域社会と共生しながら環境価値を創出する姿勢を示しています。
「安定性を基盤に、長期成長へ向けた布石を打つ中間期」
2021年6月中間期は、新規取得がない一方で、既存資産の運営力と財務基盤の強さが際立った期間でした。天候不順による発電量の減少は避けられなかったものの、地域分散と運営管理力により収益への影響を最小限に抑え、営業収益はほぼ予想通り、利益は予想を上回る結果となりました。固定化された借入金と低下傾向のLTVは、長期的な分配金の安定性を支える重要な要素です。
さらに、CO₂削減量や地域特性に応じた発電所設計など、環境価値の創出に向けた取り組みも継続しており、グリーンインフラとしての社会的意義を強めています。スポンサーグループの開発力とネットワークを背景に、将来の外部成長余地も確保されており、安定性と成長性の両面を備えた運用が続いています。総じて、当中間期は「守りの強さ」を確認しつつ、「攻めの選択肢」を維持した、次期以降の成長に向けた重要な橋渡しとなる期間だったと言えます。
