2024年8月14日にいちごグリーンインフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が4,065円のところ4,065円で着地しました。
尚、利益超過分配金2,360円が含まれています。
外部成長がなく既存15発電所の安定運用に注力した一年

2024年6月期は、新規資産の取得や売却が一切なく、外部成長は停滞しました。その一方で、既存15発電所の運営においては、オペレーターによる統合監視システムを活用した設備管理が継続され、故障の早期発見や修繕対応を通じて中長期的な資産価値の維持が図られました。特に、北海道から沖縄まで広がる地域分散の効果により、天候不良や出力制御の影響を受けた発電所があったものの、全体の発電量は予想比マイナス3.2%にとどまりました。
一方で、名護二見ではパネル不具合(PID)が発生し、予想比マイナス18.2%という大きな減少を記録しましたが、メーカー保証の対象であるため協議が進められています。また、九州・沖縄・中国・四国エリアでは出力制御が継続しており、逸失発電量を抑えるためオンライン出力制御の導入が進められました。これらの対応を通じて、内部成長は既存設備の安定運用とリスク低減に重点が置かれた期となりました。
防犯対策強化と財務安定化が進んだ期

2024年2月には桐生奥沢で電気ケーブル盗難が発生し、一部が発電停止となりましたが、既に防犯対策を強化していたことから被害は限定的で、翌月には復旧が完了しました。この事象を踏まえ、当期は12発電所で防犯対策工事を実施し、翌期には機械警備の導入も予定されるなど、設備保全の強化が進められました。
財務面では、新規の資金調達はなく、約定返済により借入金残高は4,543百万円となり、LTVは55.0%まで低下しました。借入金はすべて金利固定であり、財務の安定性が維持されています。
業績面では、営業収益1,031百万円、営業利益233百万円、経常利益176百万円、当期純利益175百万円となりました。減価償却費を原資とした利益超過分配金を含め、1口当たり分配金は4,065円となり、期初予想を達成しました。FFOは817百万円で、1口当たり7,935円と分配金の約2倍を確保し、安定したキャッシュ創出力を示しました。
発電量の下振れを抑えつつ安定運用を継続した総括
2024年6月期は、天候不良や出力制御、さらに名護二見のパネル不具合など複数のマイナス要因が重なり、発電量は予想比マイナス3.2%となりました。しかし、地域分散によるリスク低減とオペレーターによる基本賃料保証により、営業収益や分配金への影響は限定的でした。防犯対策の強化やオンライン出力制御の導入など、設備保全と発電ロス低減に向けた取り組みも進展し、既存資産の安定運用を中心とした一年となりました。
財務面では返済の進捗によりLTVが低下し、分配金は予想どおりの水準を維持しました。外部成長こそなかったものの、内部成長と財務安定化を着実に進めた期であり、長期的な運用基盤を支える取り組みが継続したことが特徴的です。
