2020年8月14日にカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,700円のところ3,700円で着地しました。
尚、利益超過分配金708円が含まれています。
成熟期に向けた運用基盤の強化と発電価値の最大化

2020年6月期は、これまで積み上げてきた資産ポートフォリオの運用力を高めることで、内部成長を追求した期となりました。当期は新たな資産取得こそ実施しなかったものの、21物件、パネル出力約119.7MW、取得価格総額488億円超という上場インフラファンド最大級のポートフォリオを維持し、安定的な運用に注力しました。スポンサーであるカナディアン・ソーラー・グループの開発力やパイプラインを活用しながら、将来の取得機会を見据えた外部成長戦略も継続しています。
内部成長の面では、保有資産の発電効率向上や運営体制の強化を進めました。当期の実績発電電力量は予想発電電力量に対して98.9%となり、天候不順や九州地域における出力制御の影響を受けながらも、概ね計画に沿った発電実績を確保しました。また、九州電力管内の主要発電所ではオンライン出力制御への対応を進め、従来より柔軟な出力調整を可能にすることで将来的な売電収入の向上を目指しています。さらに、効率的な修繕計画や運営管理によって費用を抑制した結果、営業利益や当期純利益は当初予想を上回る水準となりました。
財務戦略の高度化とESGへの取り組みの深化

財務面では、資金調達手段の多様化と財務基盤の強化を進めました。当期末の借入金残高は約258億円となり、有利子負債比率は54.8%となっています。一方で、固定金利比率は81.36%まで高められており、金利変動リスクの抑制を図りました。また、2020年6月には総額100億円を上限とする投資法人債の発行登録を行い、今後の資産取得や借入金返済、設備投資などに活用できる体制を整備しています。さらに、決算後には格付の引き上げや新規取得も実現し、機動的な財務戦略を展開できる環境を整えました。
サステナビリティへの取り組みについても一段と前進しました。資産運用会社は国内インフラ投資法人の運用会社として初めて国連責任投資原則(UN PRI)への署名を行っており、ESGを重視した運用方針を継続しています。当期は投資案件の選定から取得後のアセットマネジメントに至るまでESGの視点を組み込むためのフレームワーク整備を進めました。また、グリーンファイナンスへの取り組みにおいては、JCRグリーンファイナンス評価で最上位となる「Green1(F)」を取得したほか、既存借入金についても同評価を継続しています。再生可能エネルギー投資を通じた環境価値の創出と、透明性の高い資金調達を両立したことが特徴的でした。
不透明な環境下で示した安定成長への底力
2020年6月期は、新型コロナウイルス感染拡大による世界的な経済混乱に直面したものの、安定した事業運営を維持した期となりました。営業収益は2,331百万円、営業利益は840百万円、当期純利益は691百万円を計上し、利益面では当初予想を上回る結果となりました。発電量は想定をわずかに下回ったものの、運営コストの抑制や資産管理の効率化によって収益性を高めています。
また、投資主還元については、1口当たり分配金3,700円を維持しました。新型コロナウイルスの影響によって金融市場が大きく変動する中でも、インフラ資産の安定性が評価され、投資口価格の変動も比較的限定的な水準にとどまりました。発電事業を取り巻く制度変更や出力制御への対応を進めながら、安定運営と持続的成長に向けた基盤整備を着実に進めたことが、2020年6月期の大きな成果だったといえます。
