2022年2月14日にカナディアン・ソーラー・インフラ投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,750円のところ3,750円で着地しました。
尚、利益超過分配金848円が含まれています。
発電資産の価値向上と分散化による成長基盤の強化

2021年12月期は、大型資産を取得した前期に続き、保有資産の価値向上と運営基盤の強化に注力した期となりました。期末時点の保有資産は25物件、パネル出力約184MW、取得価格総額800億円となり、引き続き上場インフラファンド最大級の規模を維持しています。外部成長については新規物件の取得は実施しなかったものの、これまで積み上げてきた資産群を安定的に運営するとともに、スポンサーが保有するパイプラインを活用しながら将来の成長機会の確保を進めました。
また、ポートフォリオの分散効果も着実に向上しています。上場当初と比較して大型物件への集中度が低下し、複数の発電所による収益構造へ移行したことで、安定的なキャッシュフローを支える体制が強化されました。固定価格買取制度の残存期間についても長期分散が図られており、中長期的な収益の安定性向上につながっています。
内部成長の面では、発電量の維持向上に向けた運営改善を進めました。当期は台風や秋雨前線の影響により全国的に日照時間が減少し、実績発電電力量は予想発電電力量比95.87%となりました。しかし、発電所ごとの運営管理や保守体制を継続的に強化し、収益基盤の維持に努めています。特に九州地域の発電所ではオンライン出力制御装置の導入を進め、出力制御による売電ロスの低減に取り組みました。その結果、出力制御による想定逸失変動賃料は前期から大きく減少し、収益への影響を抑制しています。
強固な財務体質の構築とESG経営の進展

財務面では、保守的な運営方針のもとで強固な財務基盤の構築を進めました。2021年12月末時点の固定金利比率は100%となり、金利上昇リスクを完全に遮断する体制を実現しています。また、DSCRは2.11倍と高い水準を維持しており、安定した返済能力を確保しました。LTVについても54.31%に管理されており、レバレッジ効果を活用しながら将来の投資余力も確保しています。さらに、JCRから長期発行体格付「A」、R&Iから「A-」を維持し、市場からの高い信用力を保持しました。
資金調達面では、長期借入金と投資法人債を組み合わせた安定的な調達体制の構築を継続しました。複数の金融機関との強固な取引関係を維持しながら、長期固定金利による借入れを中心とした保守的な負債運営を実践しています。また、グリーンボンドやグリーンローンを活用し、再生可能エネルギー投資と資金調達の両面で環境価値を追求しました。
サステナビリティへの取り組みでは、ESGを重視した運営をさらに前進させました。資産運用会社は国連責任投資原則(UN PRI)への署名を継続するとともに、「国連責任投資原則に係るアプローチ」に基づく運用を推進しています。加えて、TCFD提言に沿った気候関連財務情報の開示を開始し、気候変動リスクや機会を経営戦略へ反映する体制を整備しました。ガバナンス、戦略、リスク管理、指標・目標の各分野について開示を行い、透明性向上にも取り組んでいます。
さらに、UPDATERおよびゼロワットパワーとの連携を通じて、保有発電所で発電した再生可能エネルギー由来電力の供給を拡大しました。発電所で使用する電力についても再生可能エネルギー由来の電力へ切り替える取り組みを進めており、環境価値の創出と収益機会の拡大を両立しています。また、グリーンファイナンス・フレームワークの運用を継続し、JCRの最高位評価である「Green1(F)」を維持しました。
脱炭素社会を見据えた持続的成長への布石
2021年12月期は、天候不順による発電量の減少という外部環境の影響を受けながらも、持続的成長に向けた体制整備を進めた一年でした。営業収益は3,587百万円、営業利益は1,344百万円、当期純利益は1,122百万円となりました。実績発電量が計画を下回ったことで収益は期初予想を下回ったものの、安定した事業運営を継続しています。
投資主還元については、利益分配金と利益超過分配金を組み合わせることで、1口当たり分配金3,750円を維持しました。環境変化に柔軟に対応しながら安定した分配を継続したことは、インフラファンドとしての収益基盤の強さを示しています。
また、日本では2050年カーボンニュートラルの実現や再生可能エネルギー比率の大幅引き上げが政策目標として掲げられており、太陽光発電への期待は一段と高まっています。そのような環境の中で、発電資産の運営高度化、出力制御への対応、ESG情報開示の充実、グリーンファイナンスの活用を着実に進めた2021年12月期は、持続可能な成長と社会的価値の創出を両立する事業基盤をさらに強固なものとした期であったと総括できます。
