2026年4月22日にラサールロジポート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が3,552円のところ3,725円で着地しました。
尚、利益超過分配金258円が含まれています。
進化する物流ポートフォリオと収益基盤の強化

2026年2月期のラサールロジポート投資法人は、物流施設市場における堅調な需要環境を背景に、外部成長と内部成長の両面で着実な成果を積み上げました。保有物件の稼働率は期末時点で98.6%、期中平均でも98.7%と高水準を維持し、172テナントを擁する分散性の高いポートフォリオを構築しています。
外部成長の面では、資産価値と将来の成長ポテンシャルを精査したうえでポートフォリオの入れ替えを推進しました。ロジポート川越、ロジポート狭山日高に続き、愛西物流センターおよび刈谷物流センターを売却し、2024年2月期以降の累計売却額は489億円に到達しました。これらの売却は単なる資産圧縮ではなく、成長余地の高い物件への資本配分や資本効率向上を目的とした戦略的な取り組みとして位置付けられています。
内部成長では、アクティブアセットマネジメントによる賃料引き上げが大きく寄与しました。2026年2月期の契約更改における平均賃料増額率は6.9%となり、過去平均を上回る成果を実現しています。橋本や東扇島、流山B棟などで積極的な賃料改定を進めたほか、契約期間の適切な見直しを通じて将来的な賃料増額機会の確保にも取り組みました。また、同一物件ベースのNOIは着実な成長を続けており、物流施設市場の需給改善を取り込むことで、今後も収益拡大が期待される状況です。
さらに、バリューアッド戦略にも注力しました。既存の間接投資ポートフォリオを再編しながら、仙台泉物流センターの開発や神戸摩耶埠頭における冷凍冷蔵倉庫開発案件への投資を進めるなど、高付加価値物流施設への投資機会を拡大しています。こうした取り組みは、将来的な収益源の多様化と収益性向上につながる施策として位置付けられています。
資本効率と持続可能性を両立する経営基盤

財務面では、2026年2月に175億円のリファイナンスを実施し、期末の有利子負債残高は1,710億円、有利子負債比率(LTV)は44.4%となりました。長期発行体格付AAを維持しながら、安定した資金調達基盤を確保しています。
一方で、同投資法人の特徴的な取り組みとして、売却益を活用した自己投資口取得を継続的に進めている点が挙げられます。2024年以降の累計買付予定総額は310億円に達する見込みであり、発行済投資口総数の約12%相当を取得する計画です。売却資金を投資主還元と資本効率向上に振り向けることで、一口当たり収益の成長を促進しています。実際に自己投資口取得実施期間の株主資本総還元率は平均11.3%と高い水準を示しています。
収益面では、営業収益124億7,100万円、当期純利益60億2,000万円を計上しました。1口当たり分配金は3,467円となり、これに加えて利益超過分配金258円を実施することで、投資主還元の充実を図っています。
サステナビリティの観点では、既存ストックの価値向上を重視した運営姿勢が特徴です。物件競争力を維持・向上するための適切な修繕や資本的支出を継続するとともに、冷凍冷蔵物流施設や危険物倉庫など社会的ニーズの高い物流インフラへの投資を推進しています。また、長期契約やCPI連動条項の導入などを進め、安定したキャッシュフローの確保と物件価値の維持向上に取り組んでいます。
資産入れ替えを成長力へ転換する次世代物流REIT
2026年2月期のラサールロジポート投資法人は、単なる資産規模の拡大ではなく、資産の選択と集中による質的成長を志向した運用を展開しました。収益成長余地の限定的な資産を売却する一方で、自己投資口取得や高収益の間接投資、開発プロジェクトへの投資を進めることで、資本効率の向上と将来成長の両立を図っています。
物流不動産市場では一部地域で供給増加の影響が残るものの、全国的には堅調な需要が継続しており、同投資法人は高い稼働率と賃料増額実績を背景に安定した収益基盤を確立しています。今後もスポンサーであるラサールグループのネットワークとアクティブアセットマネジメントのノウハウを活用しながら、ポートフォリオの収益力向上と投資主価値の最大化を目指していく方針です。
