2026年4月22日に森トラストリート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が1,791円のところ1,837円で着地しました。
実力ベース成長を追求するポートフォリオ運営

2026年2月期の森トラストリート投資法人は、オフィスとホテルを成長ドライバーと位置付け、実力ベース分配金の持続的な成長に注力しました。外部環境では国内外投資家による不動産取得意欲が引き続き強く、物件取得競争が激しい状況が続く中、保有資産の価値向上と収益拡大を重視した運営を展開しています。
外部成長では、新規物件取得は行わなかったものの、スポンサーサポートや共同投資も活用しながら、今後の物件取得や資産入替に向けた準備を進めました。特に2026年8月期には築古オフィスの売却と築浅の商業施設・居住施設取得による資産入替を予定しており、ポートフォリオの若返りと収益性向上を目指しています。また、東京都心部や高成長が期待できるホテル物件を中心に、引き続き厳選投資を行う方針を示しています。
内部成長は当期の大きな成果となりました。オフィスでは東京都心部の空室率低下と賃料上昇を背景に賃料増額改定が加速し、増額比率は57.5%、賃料改定率は全体で7.1%、増額区画に限定すると11.9%という高水準を実現しました。オフィス10物件の期中平均稼働率は98.3%と高い水準を維持しながら、賃料成長による収益拡大を実現しています。
ホテル分野でも内部成長が大きく寄与しました。インバウンド需要の拡大を背景に、変動賃料を採用する4ホテルの賃料実績合計は前年同期比114%となりました。シャングリ・ラ 東京、コートヤード・バイ・マリオット東京ステーション、コートヤード・バイ・マリオット新大阪ステーションなどで高いRevPAR成長が続き、ホテル収益が分配金成長をけん引しました。また、サンルートプラザ新宿については、2027年9月以降の新契約で固定賃料の大幅増額と変動賃料の導入を決定し、将来の収益拡大に向けた土台を築いています。
安定財務とESG推進による競争力強化

財務面では、金利上昇局面への対応を進めながら安定した資金調達を維持しました。当期は225億円の借換えを実施し、そのうち15億円をグリーンローンとして調達しました。期末有利子負債残高は2,205億円、LTVは46.8%となり、前期と同水準を維持しています。日本格付研究所からはAA(安定的)の格付を維持しており、堅実な財務運営が評価されています。
一方で、金利上昇に対応するため、借入期間の短縮化や短期借入金の活用による調達コスト抑制にも取り組みました。平均金利は0.86%、平均残存期間は2.1年となり、今後の金融環境変化に柔軟に対応できる体制を整えています。
業績面では、営業収益115億8,400万円、経常利益65億4,700万円、当期純利益65億3,700万円を計上しました。ホテル収益やオフィス賃料の上振れが寄与し、1口当たり分配金は1,837円となり、予想を46円上回る結果となりました。実力ベース分配金も継続的に成長しており、合併以降の年平均成長率は6%を超える水準となっています。
サステナビリティへの取り組みも大きく進展しました。当期はシャングリ・ラ 東京でDBJ Green Building認証を取得し、保有する全物件(底地除く)で環境認証取得を達成しました。これにより環境認証取得率は物件数ベース・賃貸可能面積ベースともに100%となっています。
さらに、GRESBリアルエステイト評価では9年連続で「Green Star」を獲得し、GRESBレーティングは「4スター」、GRESB開示評価は最高位の「A」を6年連続で取得しました。省エネルギー設備導入やLED照明化、ホテル設備の省エネ更新、グリーンファイナンス活用など、環境負荷低減に向けた具体的な施策も着実に進めています。
オフィスとホテルを軸に次なる成長ステージへ
2026年2月期は、森トラストリート投資法人が掲げる「実力ベース分配金の成長」が成果として表れた期となりました。オフィスでは賃料増額が本格化し、ホテルではインバウンド需要の拡大が追い風となることで、実力ベース分配金は年率5〜7%台の高い成長を実現しています。
今後は金利上昇の影響を受ける局面が想定されるものの、オフィスの賃料増額余地やホテルの成長力がこれを吸収する見込みです。また、資産入替によるポートフォリオ改善や、サンルートプラザ新宿における新賃貸借契約の効果など、中長期的な収益拡大につながる施策も着実に進行しています。
東京都心部に集中した競争力の高いオフィスと、成長余地の大きいホテルを核とするポートフォリオを背景に、安定性と成長性を兼ね備えた総合型REITとして、今後も投資主価値の向上が期待される内容となりました。
