2026年7月17日にSOSiLA物流リート投資法人の決算が発表されました。
分配金は当初の予想一口当たり分配金が2,680円のところ2,708円で着地しました。
尚、利益超過分配金327円が含まれています。
賃料成長を原動力とした物流ポートフォリオの強化

2026年5月期のSOSiLA物流リート投資法人は、物流施設市場の需給改善を背景に、内部成長と外部成長を着実に推進しました。住友商事グループが展開する「SOSiLA」ブランドを中核としながら、物流不動産及びインダストリアル不動産への投資を通じて、投資主価値の向上に取り組んでいます。
外部成長では、2026年3月に合同会社SOSiLAプライベートファンド3匿名組合出資持分を15億円で取得しました。これにより、「SOSiLA中央林間」「SOSiLA横浜港北」「SOSiLA高槻」を裏付資産とするファンドへの出資を行うとともに、将来的な優先交渉権を獲得しています。リート全体の収益向上に加え、今後の物件取得機会を確保する戦略的な投資として位置付けられています。
また、今後の成長戦略として、地方のインダストリアル不動産の取得や資産入替も検討しています。物流施設だけでなくデータセンターや工場などを含むインダストリアル分野への投資を進めることで、収益源の多様化とポートフォリオの強化を図る方針です。
内部成長では極めて良好な成果が見られました。当期末の稼働率は100%を維持し、上場以来継続して満床運営を実現しています。さらに契約更改やテナント入替時の平均賃料増額率は10.6%に達し、第14期の契約更改予定案件では20.0%の賃料増額を見込んでいます。物流施設マーケット全体で賃料上昇圧力が高まる中、競争力の高いSOSiLAブランド施設が市場を上回る賃料成長を実現しています。
物流施設市場では、EC需要の拡大やサプライチェーン再編、大型物流施設への移転需要を背景に、需要は引き続き高い水準を維持しています。特に首都圏では供給が減少傾向にあることから、需給環境の改善と賃料上昇が進み、本投資法人の内部成長を支える環境が整っています。
安定した財務運営とESG先進リートへの進化

財務面では、金利上昇環境下においても安定した資金調達を継続しました。当期は91億円のリファイナンスを実施し、当期末の有利子負債残高は653億円となりました。LTVは簿価ベース43.9%、鑑定ベース36.3%と健全な水準を維持しており、平均借入金利は0.92%と低位に抑えています。格付はJCRからAA-(安定的)を取得しており、高い信用力を背景とした財務運営を継続しています。
業績面では、営業収益42億8,000万円、経常利益17億3,300万円、当期純利益17億3,200万円を計上しました。前期に計上した物件売却益が剥落したものの、契約更改による賃料増額や修繕費の減少が寄与し、予想を上回る着地となりました。1口当たり分配金は2,381円、利益超過分配金327円を加えた総分配金は2,708円となっています。
サステナビリティ分野では、GRESBリアルエステイト評価において4年連続で最高位の「5スター」を取得するなど、高いESG評価を維持しています。物流施設の環境性能向上や持続可能な運営を通じて、投資主価値と社会的価値の両立を図っています。
一方で、当期には運用会社である住商リアルティ・マネジメント株式会社が運用する私募リートにおける不適切な不動産鑑定評価プロセスを原因として、金融庁から業務改善命令を受けました。これを受けて同社は、コンプライアンス宣言の策定、不動産鑑定業者選定ルールの見直し、チーフリスクマネジメントオフィサー(CRO)およびチーフコンプライアンスオフィサー(CCO)の新設、取締役会へのプロパー社員登用など、ガバナンス体制の抜本的な強化を進めています。さらに、不動産鑑定業者とのやり取りを監視する事業リスク管理室の新設や、利益相反管理プロセスの見直しなど再発防止策も実施しました。
また、2026年4月には常勤監査役を新たに配置し、監視機能を強化するとともに、コンプライアンス研修の継続実施や経営陣からのメッセージ発信を通じて、法令遵守を最優先とする企業文化の定着を進めています。これらの取り組みは、投資主や市場からの信頼回復を図るとともに、今後の持続的な成長を支えるガバナンス基盤の再構築につながるものと位置付けられています。
